周りを住宅に囲まれた意外な場所に「ミニファーム上欠」はある。
屈託のない笑顔で迎えてくれた園主・幕田弘一さんは、50年近く東京で車の整備関係をしていた農業未経験者。
コロナの影響で実家である栃木に戻ってきたそうだが、農業を始めたきっかけは、妹さんが肝臓の病気になったことが大きい。
「薬ではなく食べ物でなんとかしたい」という思いで作り始めたのが“食べる輸血”とも言われるビーツ。
農業未経験ながら元来の性格である研究熱心さから、プロも顔負けのビーツを作った。
肥大化させることが難しいビーツだが、アルカリ質を好むことがわかると苦土石灰(くどせっかい)と消石灰の配合を綿密に調べ、土作りを行った。
オーガニックなものを好む妹さんの要望で農薬・除草剤は全く使っていない。
健康とおいしさを両立させたいという幕田さんの農業は始まったばかりだが、これからが楽しみだ。